けつろん
猫のシャーは、怖い・近づかないでほしいという防衛のサインです。怒っているだけでなく、強い不安や驚きから出ることもあります。
出やすさの目安
- 口を開けて息を吐くように鳴く → 距離を取りたい警告
- 新しい場所・人・猫・物音で出る → 身を守りたい気持ち
- 無理に触らず逃げ場を用意 → 静かに待つと落ち着く
意味と考えられる理由
シャーは攻撃の声、怒りの声と思われがちですが、実際のところは「怖いから近づかないで」という防衛の声です。攻撃したいのではなく、むしろ争いたくない。距離を取ってこの場を収めたい、という気持ちの表れで、猫なりの精いっぱいの警告です。 口を大きく開けて、息を強く吐き出すように出すのがシャー。ヘビの威嚇音に似せているという説もあるほど、相手を止めることに特化した音です。出やすいのは、知らない人や猫が近づいたとき、大きな物音に驚いたとき、動物病院、しつこく触られたとき。共通するのは、身の安全が脅かされたと感じた場面だということです。 シャーの深刻度は、体のサインとセットで読みます。耳を後ろに倒したイカ耳、ふくらんだしっぽ、低くかがめた姿勢。これらが揃うほど、恐怖は本気です。シャーの前後に低いウー(唸り声)が続くなら、警告は最終段階で、それ以上近づくと引っかく・噛むに移ることがあります。逆に、シャーと言いつつ耳が立っていて体もゆるんでいるなら、驚いただけの軽い反応だったということもあります。 子猫は生後間もないころからシャーを出せます。まだ目が開かないうちから、においに反応してシャーと言う子もいるほどで、これは身を守るための本能です。新しいおうちに来たばかりの子猫がシャーを連発するのは、環境が怖いだけのことが多く、性格がきついわけではありません。安心を覚えるにつれて、自然に減っていきます。 シャーと言われたときに避けたいのが、叱ること、追いかけること、無理に抱き上げることです。怖くて出している声を叱られると、恐怖が上塗りされてしまいます。そっと目をそらして距離を取り、隠れられる場所を用意して、気持ちがほどけるのを待つのがいちばんの近道です。 シャーは「嫌い」の声ではなく「怖い」の声。そう読み替えるだけで、対応はぐっと楽になります。何に対して出たのかを観察して、その原因から距離を取らせてあげてください。シャーが何日も続く、触れないほどの警戒が解けない、というときは、環境の見直しとあわせて獣医師さんに相談を。
すずの場合
保護した初日は、のぞき込むたびにシャーと言っていました。翌日にはもう言わなくなり、それからはほとんど聞いていません。もしまた聞く日が来たら、それだけ強い「近づかないで」のサインだと受け止めるつもりです。
気をつけたい点
追い詰めると噛む・引っかく行動につながることがあります。安全な距離を取り、長く続く強い警戒は環境を見直してください。
関連する猫辞典
関連する記事
よくある質問
シャーと鳴いた猫を叱ってもいいですか?
叱らないであげてください。シャーは攻撃ではなく「怖いから近づかないで」の合図です。叱るより、怖がる原因から距離を取らせるのが先です。
子猫なのにシャーと言います。性格がきついのでしょうか?
いいえ。シャーは生後間もない子猫でも出す防衛反応で、新しい環境が怖いだけのことが多いです。慣れるにつれて自然に減っていきます。
シャーのあと、どれくらいで近づいていいですか?
決まった時間はありませんが、耳としっぽが通常の位置に戻り、体のこわばりが解けてからが目安です。猫のほうから出てくるのを待つのが安心です。
猫が急にシャーシャー言うのはなぜですか?
見慣れないものに出会ったときや、嫌な経験を思い出す場面で、怖さから出ることがあります。Cornell Feline Health Center は、知らない人や動物・物音に出会ったときや、動物病院への受診のように嫌な出来事と結びついた経験にさらされたときに、猫が耳を頭に伏せる・シャーと言う・歯をむく・体を低くしてしっぽを体の下に入れる、といった様子を見せることがあるとしています。International Cat Care は、シャーを含む口を開けて出す声を、攻める場面にも身を守る場面にも使われる声と説明しています。きっかけが思い当たらないまま続くときは、まず痛みや病気がないか、獣医師さんに相談してください。
参考にした情報
- Cornell Feline Health Center「Feline Behavior Problems: Aggression」(英語)(新しいタブで開きます)
- International Cat Care「Cat Communication」(英語)(新しいタブで開きます)
- 防衛的な発声・距離確保行動に関する一般的な知見
- 恐怖時のボディランゲージ(耳・しっぽ・姿勢)に関する一般的な猫の行動学の知見
一般的な情報です。体調が気になるときは獣医師に相談してください。免責事項