けつろん
猫がしっぽを振る意味は、犬のような喜びだけではありません。振り方によって、集中・迷い・不満・警戒など気持ちが変わります。
出やすさの目安
- ゆっくり左右に揺らす → 考え中・様子見(もどかしさのことも)
- 先だけ小さく動かす → 獲物を狙う集中
- 小刻みに速く振る → 気持ちが高ぶっている
- 大きくバタバタ・床を打つ → イライラ・身構え
- なでている最中に横に振る → そろそろやめて
- 名前を呼ぶと先だけ動く → 聞こえてるよの返事
意味と考えられる理由
犬がしっぽを振っていたら、喜んでいる。この常識のまま猫のしっぽを読むと、だいたい逆の結論にたどり着きます。猫が大きくしっぽを振っているとき、機嫌はむしろ下り坂のことが多いのです。しっぽを振る=うれしい、をいったん忘れて、振り方ごとに見ていきます。 ゆっくり左右に揺らすのは、考え中や様子見のサインと言われます。座って窓の外を眺めながら、何かを見比べて、気持ちが決まるのを待っているような状態です。ただ、しっぽを横に伸ばしてゆっくり左右に動かしているときは、思いどおりにならないもどかしさのサインのこともあります。窓の向こうの鳥に手が届かないときなどは、そんな気持ちも混ざっていそうです。反対に、なでられている最中にしっぽを立てたまま、穏やかにリズムよく揺らしているなら、ふれあいを楽しんでいるときの動きとされています。 先だけ小さく動かすのは、獲物を狙う集中モードと考えられます。おもちゃを前にして、しっぽの先だけがぴくぴく動く。飛びかかる直前の助走が、しっぽの先に出ているのでしょう。体を低くして一点を見つめていたら、遊びのスイッチが入っているところです。 小刻みに速く振るのは、気持ちが高ぶっているサインです。しっぽは速く振るほど、興奮やイライラに寄っていくことが多いと覚えておくと読みやすくなります。似た動きに、しっぽをピンと立てたまま付け根のあたりを小刻みに震わせるものがありますが、こちらはうれしさが高まったときの動きで、「しっぽをブルブルさせる」の項目で説明しています。立てて震わせているのか、振っているのかで、意味が分かれます。 大きくバタバタ振る、床を打つのは、いちばん気をつけたい振り方です。床にバタン、バタンと打ちつける、左右に大きく振り回す。これはイライラや不快が高まっているサインのことが多いです。体を低くしてしっぽを床に打ちつけているのは、身を守ろうと身構えている姿勢とされています。耳が横に倒れてイカ耳になっていたら、なおさらです。近づかず、猫が離れられる余白を残してあげてください。 なでている最中に横に振り始めるのは、「そろそろやめて」の前ぶれのことが多いです。それまで静かだったしっぽが、左右にシュッ、シュッと振れ出したら合図です。そのまま続けると甘噛みに進むこともあります。いったん手を止めて、猫が自分から寄ってくるかどうかを待つと、続けるかどうかを猫に選んでもらえます。 名前を呼ぶとしっぽだけ動くのは、「聞こえてるよ、でも動かないよ」という省エネの返事のようなものです。寝そべったまま、しっぽの先だけぱたぱた。無視されているようでいて、ちゃんと届いている。この振り方はリラックス寄りのことが多く、くわしくは「しっぽをパタパタする」の項目にまとめています。 読み分けのコツは、速さ・振れ幅・場面の3点セットです。ゆっくり小さいほど穏やかなことが多く、速く大きくなるほど気持ちが高ぶっていることが多い。ただし、ゆっくりでも不満のことはあります。そこに、直前に何があったか(なでていた、来客があった、窓の外に鳥)を重ねると、しっぽの言い分が聞き取りやすくなります。 しっぽを振っている猫を見たら、かわいいと近づく前に、振り方をひと呼吸ぶん観察してください。大きく振っているなら、そっとしておくのが思いやりです。しっぽが下がったまま振らない、付け根を触ると痛がるなど、動きそのものがいつもと違うときは、獣医師さんに相談を。
すずの場合
すずは、名前を呼ぶと寝そべったまま、しっぽの先だけぱたっと動かして返事することがあります。なでている最中にしっぽの振りが大きくなることもありますが、それが甘噛みの前触れかどうかは、正直まだ読み切れていません。声より、しっぽのほうがよくしゃべる子です。
気をつけたい点
大きく激しく振っているときは、触りすぎや抱っこをいったん止め、猫が離れられる余白を作ってください。
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よくある質問
しっぽを振っている猫は喜んでいるのですか?
犬と違い、猫では喜びとは限りません。大きく強く振るほどイライラや不快が高まっていることが多く、振り方と場面をあわせて読むのが基本です。
ゆっくり左右に振っているときは、どんな気持ちですか?
考え中や様子見のことが多いですが、しっぽを横に伸ばしてゆっくり振っているときは、思いどおりにならないもどかしさのこともあります。なでられながらしっぽを立てて穏やかに揺らしているなら、ふれあいを楽しんでいるときの動きです。耳の向きや直前の場面もあわせて見てください。
なでている最中にしっぽを振り始めたら、どうすればいいですか?
「そろそろやめて」の前ぶれのことが多いので、いったん手を止めてください。そのまま続けると甘噛みに進むことがあります。
名前を呼ぶとしっぽを振るのはなぜ?
呼びかけは届いているけれど、起き上がるほどではない、という返事のようなものと考えられます。来てくれなくても、無視されているわけではありません。すずも、名前を呼ぶと寝そべったまま、しっぽの先だけぱたっと動かして返事することがあります。
寝たまましっぽの先だけ動かすのはどういう意味ですか?
くつろいだまま、周りの音や気配に軽く反応しているときの動きで、リラックス寄りのサインです。くわしくは「しっぽをパタパタする」の項目をどうぞ。
参考にした情報
- International Cat Care「Cat Communication」(英語)(新しいタブで開きます)
- International Cat Care「Cat Friendly Interaction」(英語)(新しいタブで開きます)
- 尾の動き(振幅・速さ)と情動表現に関する一般的な知見
- 接触時のやめてサイン(尾の振り・イカ耳)に関する一般的な猫の行動学の知見
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