
結論
猫が快適に感じる室温は21〜28℃・湿度40〜60%が目安とされ、エアコンの設定は26〜28℃を挙げる情報が多いです。わが家は27度でつけっぱなし。ただ、この夏いちばんの発見は数字のほうではありませんでした。すずが選んだ涼み場所は、ケージの上のプラスチック・キャットタワーの最上段・爪とぎボールの中・夏用クッションと、性質がまるでバラバラだったのです。猫にとっての「正解の場所」はひとつに決まらない。だから室温を一点に合わせ込むより、涼しい場所も暖かい場所も用意して猫に選ばせるほうが確実だ、というのが今のところの結論です。
すずにとって、初めての夏です。
川のへりで保護したのが4月の半ば。そこから初めての梅雨を越えて、いま7月の後半にいます。わが家のエアコンは27度に設定して、基本的につけっぱなしにしています。
ただ、この夏いちばん面白かったのは、設定温度の話ではありませんでした。すずが涼みに行く場所が、まるでバラバラだったのです。ひんやりしたプラスチックの上にいるかと思えば、暖かい空気が溜まっているはずのキャットタワーの一番上で丸くなっていたりする。
この記事では、猫の夏の室温の目安を整理したうえで、わが家の設定と、すずが実際に選んだ4つの場所を記録しておきます。エアコンなしについても、経験がないなりに正直に書きます。
猫の夏の室温、何度が目安?
猫が快適に感じる室温は21〜28℃、湿度40〜60%が目安とされています(永原動物病院)。エアコンの設定温度としては26〜28℃を挙げている情報が多く、わが家の27度はちょうどその真ん中あたりです。
猫がそこまで暑さに強くないのは、体のつくりによるところが大きいようです。猫の汗腺は肉球にしかなく、人間のように全身で汗をかいて体温を下げることができません。かわりに毛づくろいで体をぬらして気化熱で冷やしたり、呼吸で熱を逃がしたりしています。夏場に毛づくろいが増えて見えるとしたら、それは体温調節の一部でもあるわけです。
ただし、この数字はあくまで目安です。同じ27度設定でも、日当たりのいい部屋と北向きの部屋では体感が違いますし、エアコンの風が届かない場所には熱がこもります。設定温度を決めたら終わり、ではありませんでした。
わが家は27度でつけっぱなしにしています
切ったり入れたりはしません。朝も夜も、基本的にそのままです。
理由は単純で、猫は自分でエアコンをつけられないからです。人間なら暑くなってから対処できますが、すずにはそれができません。それに締め切った室内は、条件によっては外気温より高くなることがあります。「今は涼しいから」で切って、そのまま忘れる日が一日でもあると怖い。だったら最初から切らない、という判断です。
電気代については、こまめに入り切りするより一定運転のほうが安定するという話もよく聞きます。ただこれは住まいの断熱や広さで変わるはずなので、うちのやり方が正しいとまでは言えません。
すずが夏に選んだ「涼しい場所」4つ
さて、本題です。この夏、すずが自分で選んで過ごしている場所は、いまのところ4か所あります。
1つめは、ケージの上のプラスチックの部分。 硬くてひんやりしていて、いかにも夏らしい選択です。ここにいるときは、たいてい体をべったり伸ばして寝ています。
2つめが、キャットタワーの一番上。 これが意外でした。暖かい空気は上に溜まるはずなのに、わざわざ最上段まで登っていきます。

3つめは、丸い爪とぎボールの中。 冬のあいだからのお気に入りで、夏になっても変わらず入っています。囲われた場所が好きなようです。この爪とぎについてはバリバリボウルの記事にも書きました。

4つめは、夏用に買ったクッション。 新入りですが、ちゃんと使ってくれています。
並べてみて気づいたのは、この4つの性質がまったくそろっていないことです。高い場所と低い場所。硬い場所と柔らかい場所。囲われた場所と開けた場所。ひんやりした素材もあれば、そうでないものもある。
つまり、すずにとっての「正解の場所」はひとつに決まっていないのです。時間帯や気分で行き先が変わります。
これは調べていて腑に落ちた話とも一致しました。前述の永原動物病院の記事では、猫は自分で快適な場所を見つけるのが得意なので、ひんやりした床・冷房の効いた部屋・毛布のある暖かいスペースなど複数の選択肢を用意してあげることが重要だとされています。とくに高齢の猫では冷房で冷えすぎることもあるため、冷たい場所と暖かい場所を自由に行き来できる環境が望ましい、とも。
室温を一点に合わせ込むより、選択肢を並べて猫にまかせる。うちの4か所は、結果的にそうなっていたようです。
キャットタワーの一番上にいるのは、なぜ?
さきほどの2つめが、個人的にいちばん引っかかった観察でした。
暖かい空気は上にいく。それは物理の話としてそうなので、部屋の中でいちばん暑いのは天井近くのはずです。それなのに、すずはそこを選ぶ。
猫が高い場所を好むのには、温度とは別の理由があります。見晴らしがきくこと、下から近づかれにくいこと、つまり安心できる場所だからです。詳しくは辞典の高い所に登るにまとめました。
ここから引き出せる教訓がひとつあります。「猫が気持ちよさそうにしているから、室温は大丈夫」という読み方は危ないということです。猫は涼しさだけを基準に場所を選んでいるわけではないので、猫の居場所は温度計の代わりにはなりません。
だからやることは、涼しい選択肢をきちんと用意したうえで、そのあと猫に選ばせる、という順番になります。
エアコンなしはどこまで大丈夫?
これは正直に書きます。わが家はエアコンを切らないので、経験がありません。 やったことのないことを、やったように書くことはできません。
そのうえで言えることが、ふたつあります。
ひとつは、目安とされる快適な室温の上限が28℃前後だということ。室温がそれを超える環境なら、エアコンでも風通しでも、何らかの手立てが必要になります。もうひとつは、締め切った室内は外気温より高くなることがあるという点です。窓を開けて出かけられない住まいなら、選択肢はそれほど多くありません。
「エアコンなしでも大丈夫でしたか?」と聞かれたら、うちは答えを持っていない、というのが誠実な回答です。
うちは「留守番がほとんどない家」です
もうひとつ、前提を書いておきます。
わが家は誰かしら家にいる生活で、家族全員が出払うことはめったにありません。だからエアコンをつけっぱなしにできているし、すずの様子にも誰かが気づけます。
逆に言えば、長時間の留守番についてはうちの経験から書けることがありません。留守が長いお宅は、停電で冷房が止まったときのことや、猫が別の部屋に閉じ込められてしまう事故など、考えることが増えます。留守番そのものについては子猫の留守番は何時間まで大丈夫?に別途まとめています。
夏に入って、食欲が少し減りました
最後に、まだ結論の出ていない話をひとつ。
7月に入ったころから、すずの食欲が以前より落ちています。ただ、これが夏のせいなのかは、正直わかりません。
暑さで食が細くなっているのかもしれないし、子猫から若い猫へ移る時期で必要な量そのものが変わってきているのかもしれない。すずは3月生まれと見ていて、いまちょうど体つきが変わってくるころです。フードの食べ比べも続けている最中なので、単に好みの問題という可能性もあります。
いまは、水を飲んでいるか、遊ぶ元気があるか、体重がどう動いているかを見ながら様子を見ています。子猫の成長早見表で月齢ごとの目安と照らしているところです。
暑さのサインとして知られているもの
なお、次のような様子は熱中症のサインとして挙げられています(永原動物病院)。
- 呼吸が異常に速い、浅い
- よだれが多く出る
- ぐったりして動かない
- 嘔吐や下痢がある
- 歯茎が赤くなる
これは自分で診断するためのチェックリストではありません。当てはまるかどうかを見比べて安心するためのものでもない。当てはまるものがあれば動物病院へ、迷った時点で動物病院へ、という判断のための目安です。うちも食欲の件が長引くようなら相談するつもりでいます。
おわりに
初めての夏は、まだ途中です。
いまのところの結論は、室温の数字を一点に追い込むより、涼しい場所と暖かい場所を並べて、すずに選んでもらうほうが確実だということ。すずが選んだ4か所がてんでバラバラだったことが、いちばんの答えでした。
夏が終わるころに、この記事にも結果を書き足すつもりです。すずの成長の記録はすずの成長アルバムで毎月更新しているので、そちらもあわせてどうぞ。
よくある質問
猫の夏の室温は何度に設定すればいいですか?
猫が快適に感じる室温は21〜28℃、湿度40〜60%が目安とされています。エアコンの設定温度としては26〜28℃を挙げる情報が多く、わが家は27度にしています。ただしこれは設定温度であって室温そのものではありません。日当たりや部屋の向き、風通しによって同じ設定でも体感は変わるので、数字を決めたら終わりではなく、猫がどこにいるかを見るのが確実です。
エアコンは留守番中もつけっぱなしにするべきですか?
締め切った室内は、外気温より高くなることがあります。猫は自分でエアコンをつけられないので、留守にする時間があるなら消さない前提で考えるほうが安全です。わが家は誰かしら家にいる生活なので長時間の留守番がなく、そのぶん「つけっぱなしにできている」だけとも言えます。留守が長いお宅は、停電や設定ミスへの備えも含めて別途考える必要があります。
電気代が気になります。設定温度を上げてもいいですか?
目安とされる範囲の上限は28℃前後です。その範囲に収まっているかどうかがひとつの線引きになります。設定温度だけでなく、カーテンで直射日光を遮る、猫が入れる涼しい場所を作るといった方法でも体感は変わります。なお、こまめに切ったり入れたりするより一定運転のほうが安定するという考え方もありますが、住まいの条件によるので断定はできません。
猫が涼しい場所ではなく、暑いはずの高い場所にいるのはなぜですか?
猫は温度だけで居場所を決めているわけではないからです。高い場所は見晴らしがよく、外敵から身を守りやすい安心できる場所でもあります。うちのすずも、暖かい空気が溜まるはずのキャットタワーの最上段にいることがよくあります。だからこそ「気持ちよさそうにしているから室温は大丈夫」と判断するのは危うく、涼しい選択肢を用意したうえで猫に選ばせるのが安心です。
子猫と成猫で、夏の過ごし方に違いはありますか?
子猫は体が小さいぶん、周囲の温度の影響を受けやすいと言われます。また高齢の猫では冷房で冷えすぎることもあるため、冷たい場所と暖かい場所を自由に行き来できるようにしておくことがすすめられています。どちらの場合も「一か所だけ完璧に整える」より「選べる状態にしておく」ほうが、猫まかせにできて楽です。
すずからのお手紙
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